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ダックテープはガムテープか?

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畑を借りて菜園をはじめた頃から環境整備の必要性から耐候性のあるガムテープが欲しくなりました.
2009年頃のことです.実はそのずっと以前にコーナンで耐候性をうたったテープを買ったことがあったのですが
このテープは私とよほど相性が悪かったのかトンデモナイ代物で一回使って終わってしまいました.
ガムテープのように手でちぎれるのですが、ちぎったその手にベトっと白い粘着剤が付き厄介この上ない.
そのような粘着剤なので貼り付け部分にすべり力が加わると時間とともにズレてくる(どこが強力粘着?).
剥がしたあとも粘着剤が残り除去が大変.
そのテープはアサヒペンから発売されていた「パワーテープ」です.店頭の棚も購入後も保存環境が悪かったとは思えません(店頭以前の物流段階はわかりませんが・・・).
★アサヒペンと「パワーテープ」の名誉のために申し添えておきますが、現在似た名前もしくは同じ名前とパッケージで販売されているテープは、そのようなことはなく良いテープです(今回の実験にも使いました).

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以上の理由で、耐候性のあるガムテープを探すにしても「実際に使ってみないとわからない」という思いが強い.
そんな中、たまたまコーナンの店内をうろついているとき鮮やかな黄色で普段はあまり使い道のなさそうな布テープを見つけました.売れ残りだったのでしょうか1巻だけ.何気なく商品説明を見ると耐候性バツグンのテープだという.巻芯の内側には可愛いというか人をバカにしたようなアヒルのマークと一緒に「DUCK(TM)」というロゴが印刷されています.USA製.棚に沢山積んであったら買わなかったでしょうが残りわずか1巻です.買いました.
使ってみたらGOOD!粘着面は頼りないと思うくらいアッサリですが、貼り付け部分の清掃や充分な圧着などの基本を守れば強力・長持ち・耐候性も満足できるものでした.

その後、もう少し落ち着いた色のDUCKテープが入荷していないかひつこくコーナン各店やほかのホームセンターを巡ったもののカラーバリエーションはもとよりDUCKテープすら置いてなく後述するようにネット販売でも扱い店ゼロ.日本では普通に購入することが出来ないことがわかりました.今、現在もです.
続いて実験経過 ↓

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さて前置きはこれまで.現在入手可能な製品のなかで少しでもDUCKテープに近いのはどれだろうか?調べることにしました.
紙(クラフト)テープは除外するとして布テープを何種類か購入し、同じ環境にさらし耐候性でどれだけ差が出るか実験.以下、そのレポートです.

1.実験環境:畑にしたいところだが普段目が届かないので自宅ベランダの日当たりの良い、かつ雨風にさらされる場所
2.期間:春~夏~(もてば)秋・冬まで(真夏はテープにとって厳しいと思う)
3.方法:下記の写真のとおりですが、テープ幅が製品によって微妙に違ってたり貼り付けも手で押しつけただけの感覚的なものだったりで大雑把

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古い風呂ふたを立てかけ、そこに被験テープを貼り付ける



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被験テープに適度のすべり荷重をかけるため50グラムの重しを作る.乾燥した川砂をポリ袋に詰める.



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被験テープを準備する(5種類)/テープそれぞれのコメントは後述



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2015/04/17、実験開始


1番 荷造り用のノープランド安物ガムテープ
2番 スリーエム ジャパン(旧・住友3M)のスコッチ(R)ダクトシールテープ・・本記事では略して3Mと表記
3番 アサヒペンの現行品「パワーテープ」
4番 オークションで購入したUSA製「DUCKTAPE」(平行輸入品)
5番 この記事のきっかけとなった私が気に入ったUSA製「DUCK」テープ


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2015/04/24
早くも1番、安物ガムテープが脱落.
屋外で使うテープではありませんから当然の結果です.
テープに罪はありません.



0527_madaikerus.jpg


2015/05/27
テスト開始からおよそ1ヶ月.耐候性は別としてヘビーデューティを謳ったテープに大きな変化は見られません(若干3番の「パワーテープ」の端っこに浮きが見られますが).



0807_sukoshiayashiis.jpg0807_2-hennkas.jpg
2015/08/07
テスト開始からおよそ3ヶ月半.2番の3Mテープはポリエチレンフィルムが端から剥がれてきました(ポリエステルメッシュ入りの粘着部はまだしっかりしています).
3番の「パワーテープ」の浮きが進行してきました.


0821_2-3-saranisusumus.jpg0821_saranisusunnda2-3s.jpg
2015/08/21
さらに半月経過.厳しい暑さを乗り越えようとしています.2番と3番の変化は更に進んできたように見えますが4番と5番は平然としています.
2~5番に共通するのは高い気温下でも粘着剤が軟化することなく全くズレが見られないことです.50グラムという加重が少なかった可能性もありますが予想外でした.


1005_2-outs.jpg1005_2-out-3hennkas.jpg
2015/10/05
テスト開始からおよそ5ヶ月半.ついに2番3Mテープの重しが落下.テープ表面のポリエチレンフィルムは風に飛ばされてどこかへいってしまいました.本当は板に貼り付けた部分の差を知りたかったのですが、バカなことに重し部分の貼り付けにあまり関心をはらっていませんでした.尚、このテープも屋外用ではありませんので罪はありません.


1125_5-omoshiyabures.jpg


2015/11/25
テスト開始からおよそ7ヶ月.これもうかつながら考えていなかったのですが重しのポリ袋が破れて中の砂がこぼれ落ちていました.ポリ袋も7ヶ月間日光にさらされていましたからね.
実験終了です.



20160310_sugatas.jpg


その後個人的なアクシデントがあり体調がもどった今(2015/03/10)この記事をまとめているのですが、全ての重し袋が破れたあとも風呂板には被験テープもしくはその一部が残ったままです.

かなりいいかげんな結論になりましたが半年以上もとの状態を維持できた4番と5番USA製DUCKテープが耐候性の面で信頼できると思っています.





★★被験テープに関するコメント★★

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1 荷造り用のノープランド安物ガムテープ
いわずもがなのホームセンターで山積みされている激安テープ.すぐに使用済みとなり捨てられる布テープです.



2_JT240036841s.jpg2 スリーエム ジャパン(旧・住友3M)/のスコッチ(R)ダクトシールテープ DUCT-09.商品としては DIY関連 > 片面テープ > スコッチ(R)多用途補修テープ強力多用途 補修テープに分類されています.
購入後、包装PPを捨ててしまったので意味のある現物写真をのせることができません.スリーエム ジャパンのショップ情報から画像を拝借します.
このテープも普通にホームセンターで売られているのですが、実際には数多くのスリーエム製品ラインナップがあり、「スコッチR 超強力多用途 補修テープ [のり残りの少ないタイプ]屋外用 屋内用 DUCT-NR18」という耐候性の期待できるテープもあるようです(私の知るホームセンターでは棚に置いてません.ネット情報ではじめて知りました).いずれ入手して使ってみたいと思っています.



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3 アサヒペン発売の現行品「パワーテープ」
この記事の冒頭で紹介した少し不思議な体験をしたテープ.そのときは腹立ちまぎれでほとんど使わないまま捨ててしまったのですが、たしか現在売られているのとほとんど同じパッケージだったと記憶しています(テントを補修した絵とかも同じ).実はDUCKテープを店頭で探すのをあきらめネット通販を巡っていると、一部のショップで「アサヒペンのDUCKパワーテープ」がヒットするのです.子細に見ると本家のアサヒペンではなくネットショップの商品紹介ページでした.苦労しなくてもネットで購入出来るんだと思いながら紹介ページの商品写真を見ると確かにパッケージにアヒルのマークとともにDUCKの文字が印刷されており、それ以外のパッケージレイアウトはほとんど変わらぬアサヒペン「パワーテープ」.ネットで売っているのになぜホームセンター店舗には「DUCKパワーテープ」を置いていないのか?
原因は簡単でした.アサヒペンは一時期 「DUCK」を「パワーテープ」として発売していたことがあったのです.アサヒペンが「パワーテープ」として発売するテープをDUCK(USA)製から他のメーカーに乗り換えた以降もそのネットショップの画像データが入れ替えられなかっただけでした(その古い画像は検索すると今も出てきます.おまけにそのショップは商品名まで「DUCKパワーテープ」そのままで販売しています.DUCKと思って注文してもDUCKは届きません).現在のアサヒペン「パワーテープ」はShurtape(USA)製です.このあたりもややこしいのですが、もともと Ducktape と Shurtape の両社はアメリカでは名のあるメーカーでいわばライバル社.しかし、いつの日か(企業?)合同したようです.それがアサヒペンのメーカー乗り換えと関連があるのか無いのか、乗り換えの後なのか先なのかなど不明です.又、かつて早々と捨ててしまった「パワーテープ」の製造元が何だったかも今となってはわかりません.



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4 オークションで購入したUSA製「DUCKTAPE」(平行輸入品)
少し高くついてしまいましたが間違いなくDUCKテープなので購入.ただし、どうも現在はダクトテープという役割よりも様々な図柄のテープを使ったクリエイティブ用途で人気らしく"ひげ"の図柄です.このテープは「DUCKTAPE」なのですが巻芯に小さく・ShurTeck Brands, LLC・云々の文字が見えます.かなり有力な企業体のようですが恐らく「DUCKTAPE」と「Shurtape」は工場もしくは製造ラインが別です.「DUCKTAPE」と「Shurtape」それぞれ独自の製造ノウハウで作られている筈です.もっともこの4番「DUCKTAPE」と古い5番「DUCK(TM)」をさわった感覚はロットの違い以上の差を感じました(良い悪いではないのですが・・・).3番「パワーテープ(Shurtape)」はもともとメーカーが違うだけあって別物です.
ShurTeck Brands, LLC:http://www.shurtech.com/



5_DUCKs.jpg


5 この記事のきっかけとなった私が気に入った「DUCK(TM)」テープ
冒頭で記述したとおりです.これはあくまでも推測ですが、かつてコーナンをはじめ大手ホームセンターは仕入れルートを確保しており販売もしていたのかも知れないが何らかの理由でルートが閉じられ、たまたまそんな時期に私が売れ残り1巻を目に止めたのか?





【余談1】:「ダクトテープ」に関してはWikipediaに記述があります.その中の脚注(サイト)にも面白い記事があります.
尚、「ダクトテープ(DuctTape)」は空調などの配管(ダクト)の補修によく使われる耐久性テープのことで一般名称.いっぽう「ダックテープ(DuckTape)」はテープメーカーのブランド名です.アメリカでも混同している人が多いらしい.なんでもかんでもDUCK!! 日本でキッチンや冷蔵庫で使われるポリ製密閉容器のことを「タッパー」といったり、かつてガーゼ付き救急絆創膏が出はじめた頃、メーカーを問わず「バンドエイド」といったりしたのと同じのりですね.

SplicingTapes.jpg
【余談2】:今日では映像や音声、データなどはディスクや固体メモリなどを使って記録する世ですが昔は磁気テープが主流でした.仕事上その磁気テープを扱うことが長かったのですが作業としてテープを切ったりつなぎ合わせたりすることがしょっちゅう.そのつなぎ合わせに「スプライシングテープ」というのを使うのですが日本製のは手にくっつく感じがいかにも"粘着"という感じでしたが、3M/USAのテープは手で触った限りでは粘着性はほとんど感じられません.しかし耐久性・信頼性、トラブルの少なさの点から3M製がはるかに上でした.さすが本場の大先輩企業! と感心したものです.粘着テープの決め手は粘着感だけではないと悟りました.


tag : ダックテープ

ご回答、ありがとうございました。
参考になりました。

Re: タイトルなし

ころ さん

閲覧ありがとうございます.
そうですね.薄い順番で2「スコッチダクトテープ」、3「アサヒペン・パワーテープ」、4と5「「DUCKTAPE」」同程度・・・といったところでしょうか.
固いものならマイクロメーターで計るところですが、おっしゃる通り全く感覚的で、差もわずかです.基布や粘着剤の物性によるところが大きいと思います.
「スコッチダクトテープ」は基布のポリエステルメッシュが効いているのか千切るときパリッとした感じがします.

古い記事にコメント失礼します。

ネット上では、duck tapeを日本ではアサヒペンで販売しているという記載も見受けられ、しかしアサヒペンのホームページを確認しても一切そのような情報は載っておらず、ネットショップのアサヒペンパワーテープの商品画像でもDUCKと書いてあったり書いてなかったりで、「??」と思っていたところ、こちらの記事に行きあたりました。疑問が氷解し、スッキリです。実験結果も大変参考になりました。ありがとうございました。
もしよろしければ、それぞれの(2〜5の)テープの厚みを、感覚で結構ですので教えていただけますか?(だいたいどれも同じとか、○○が若干薄い気がするとか)

Re: タイトルなし

> ものすごく参考になり、DUCKのテープが欲しくなりました。
>
> でも、ヤフオク等色々探しましたがみつからず。
>
> 日本でDUCKに及ぶ性能の商品を探したいのですが、粘着力の数字をご存知ないでしょうか?
>
> ※例えば N/10mm

参考にしていただき有り難うございます.
記事の中で「スコッチR 超強力多用途 補修テープ [のり残りの少ないタイプ]屋外用 屋内用 DUCT-NR18」という耐候性の期待できるテープもあるようです・・・
と言ってみたものの入手方法を調べることすらしておりません.そのうちにと思っているのですが、ご面倒でなければ探してみられてはいかがでしょうか.
尚、DUCK TAPE ですが、何ヶ月か前 「ダイキ(DAIKI)」 という西日本で展開しているホームセンターを覗いている時にガムテープ類とは全く違う売場にずらりと並べてあるのを発見しました.
私がオークション入手した口髭キャラ以外にも様々な図柄があり明らかにUSA製とわかりました.思わず「やった!」と思ったのですが価格を見てビックリ.そこまでして入手したところで相応の価値ある使い方が出来るんかよ~ と自問した結果、スルーしました.販売元は例の「アサヒペン」です.しかし、アサヒペンのホームページを探してもこの商品は無いですね.そもそもダイキの店にまだ置いているかもわかりません.今日もその店に行ったのですが、とんとこのことを忘れていました.新たに確認などが出来ましたら追加レポートしたいと思っています.
それから、粘着力のことですがアサヒペンから情報を得るのはかなり無理と感じています.なら本家USAのメーカーサイトにデータが有るんじゃないかとなるのですが英語なのでどうやって辿り着けるのかわからず途方に暮れます.それにしてもニチバンはさすがに専門メーカーです.キチンとpdfで(N/10mmデータ)提供されています.ニチバンやコニシでDUCK TAPE のようなのを出してくれないかな.

ものすごく参考になり、DUCKのテープが欲しくなりました。

でも、ヤフオク等色々探しましたがみつからず。

日本でDUCKに及ぶ性能の商品を探したいのですが、粘着力の数字をご存知ないでしょうか?

※例えば N/10mm

No title

大変、参考になりました.

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山を切り開いた住宅地にある自宅からさらに峠をこえたところに家庭菜園の小さな畑を借りている.のんびりとマイペースなのでいつまでたっても初心者のよう

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